1999 年 16 巻 p. 699-705
本研究は観光地域の道路整備に伴う観光周遊行動の変化について分析するためめ新しい手法を提案する.従来の離散選択モデルを基礎として, 経路選択モデルとスポット群選択モデルからなる階層構造モデルを開発する. 具体的には通常のNested Logitモデルの各段階のIID誤差構造を緩和したNested PCL (Paired Combinatorial Logit) モデルを導出する. 島根県中央地域における経路と訪問スポット群の選択文脈で得たSPデータを用いてNested PCLモデルを推定し, シミュレーション分析を行った結果, 道路整備により観光需要が若干増大することが確かめられた.