2001 年 18 巻 p. 231-237
既往の交通起源環境負荷推計手法の大多数は、もともと開発されていた交通需要推計手法の援用であると言える。そこで本稿では逆に、環境負荷推計を行う立場から道路交通データや需要推計手法にいかなる課題が存在するかについて整理することを目的とする。まず、道路交通に起因する環境負荷の推計に関する既往の手法を整理し、その特徴と適用範囲を論じている。さらに、各手法における問題点と今後の対応について、特に1) 環境負荷総量把握における問題、2) 走行状況の指標として平均旅行速度を用いることによる問題、3) 交通流シミュレーションを用いる場合の問題、の3点を中心に、試算を交えながら検討を加えている。