抄録
本研究では, 従来より用いられてきたゾーンシステムにおける問題点に着目し, 空間表現技法として直交座標系でトリップ目的地点を表現する座標システムを用いた目的地点選択行動の再現手法を開発した. 巨大となる目的地選択肢集合に対処するため, MCMC法を適用することで効率的なサンプリングを行った. 仮想的な領域を想定したシミュレーションの再現値は, 設定した効用関数より算定した理論値とほぼ一致し, 本研究による計算法の妥当性を確認した. また京都市中心部を対象としたシミュレーションにおいても, 推定したパラメータの影響を反映する再現値が得られ, 目的地選択行動の再現方法として有用な手法であることが示された.