抄録
本研究では, 防災計画の多角的検討を行うために, まず生活行動シミュレータPCATSを用いて災害発生時点の人々の滞在場所の地理的分布の把握を試みた. PCATSは活動地点を直交座標系で再現する様に改良したものを用い, さらにGISを利用し, 防災拠点や避難場所の空間的分布を視覚的に把握し, 各防災拠点・各避難場所から滞留人口集中地区への直線距離とそこまでの移動時間を指標として, 現状の防災拠点・避難場所と滞留人口集中地区との空間的関係を検討した. 本研究の成果は, 防災拠点整備を目的とした, シミュレーションモデルとGISの適用可能性を示すものである.