抄録
環境問題や交通渋滞などの問題に対する解決策の一つとして、自転車利用の促進が考えられる。本研究では自転車利用が低下する年齢層を対象とし、自転車利用の減少に係る要因を検討する。結果として、4つの要因が挙げられる。現状の制約として自転車利用に物理的な制約を与える移動制約と、自動車への金銭的基準である財政面がある。経験や価値基準による意識の構造として、自転車の利用履歴の継続である習慣性と、モードに対し交通手段以外の価値を与える自転車嗜好性がある。自転車嗜好性は出身都市の人口規模と正の関連があり、それらは自転車利用を促す働きがある。よって自転車利用者の習慣性と自転車嗜好性を考慮した交通政策が必要である。