抄録
本研究は、歩行者の横断経路選択時の平面横断の危険感を始めとする各種要因の影響を評価するための方法を提示するとともに、その有効性を示し、それを用いて各要因の影響を明らかにしたものである。横断経路選択の行動観測データに基づくもの、仮想の場面についての選択を行うもの、AHPによる総合的な重要度を評価するものの3つを用いた。その結果、各手法の有効性を明らかにするとともに、歩行困難度が高いほど右左折車が混入する平面横断を嫌う傾向が強いこと、全般的にエレベータ利用では待ち時間などの抵抗が大きく認識されているために、有効な利用を考える上ではこれの改善が必要なことが明らかになった。