2004 年 21 巻 p. 103-107
近年, 社会資本整備では, 事業の上流の段階からの市民参加が行われるようになってきたが, 方法論については, まだ手探りの状態である. 本研究では, 市民参加の出発点である情報の共有に関して, インターネットを利用し, 利害関係の異なる複数のシナリオを持つ仮想の公共事業に関する情報提示を行う実験を実施することにより, 多様な利害を持つ市民の理解を促進し, 満足度を高める情報共有のあり方を検討することを目的としている. その結果, いずれの利害を有するグループも事業に関するより詳しい情報を共有することにより信頼度や事業の賛同度を高めることなどが確かめられた.