2004 年 21 巻 p. 283-288
本論文では、家庭部門の電力消費量と自動車のエネルギー消費量に着目している。宇都宮市を対象地域とし、都市内でのエネルギー消費量の実態を把握し、都市形態やライフスタイルとエネルギー消費との関係を考察する。分析の結果、家庭部門の電力消費量については1人当たりで見ると都心で高く、郊外で低い値をとる。これは都心に単身世帯が多く、床面積当たりの家電製品の密度が高くなることが原因として考えられる。一方、自動車エネルギー消費量については、居住地から発生するエネルギー消費量を考えると、都心で低く、郊外で高い値をとることが示せた。しかし、両方を合わせて考えると、都心と郊外において消費量の大きな差は見られなかった。