抄録
都市公園は, 防災・減災, 環境保全, 交流・休憩、景観向上など多面的な機能を有している. しかし今後は, ほかの社会基盤と同様に, 利用者の満足度を高める観点から, そのあり方を検証し, 限られた財源を有効活用する必要がある. 本研究は, コンジョイント分析を用いて都市公園の立地環境と都市公園の機能別の支払い意思額 (WTP) との関係を分析した. その結果, 地域の緑被率の「高, 低」と, 公園が有する緑地空間や自然環境に対するWTPの「高, 低」との間には負の相関があること, また, 同じ公園の機能でも, 地域住民は、市街化の状況, 公園面積, 到達距離の違いにより, 経済価値が異なるものとして評価していることが得られた.