抄録
本論文では、宇都宮市を事例とし、LRTの利用意向や導入時の行動活性化の程度と高齢者の普段の行動との関連を把握した。その結果、大多数の高齢者はLRT導入時にはLRTを利用するという意向を持ち、LRTの導入により、これまで潜在化していた外出活動が活性化される可能性があることが分かった。また、「生活」・「ゆとり」といった私事目的の交通において潜在化する傾向が強く、それがLRTの導入によって活性化される可能性が示唆された。また、LRTの導入効果は、活発に活動する高齢者に顕著であり、タクシーを利用している高齢者においては、相対的に小さいことが分かった。