抄録
従来, 航空政策検討のために実務的に用いられてきた定量的分析手法は, いわゆる需要予測モデルに分類され, 供給者であるエアラインの行動が外生的な前提条件・シナリオとされ, 旅客行動のみを予測する手法であった. しかし近年では, 国内航空市場の自由競争環境化が進み, 航空政策を検討するにあたり, エアラインの戦略を推定するニーズが高まってきた. そこで本研究は, 詳細な旅客流動の予測とエアラインの行動予測の両立のために, 寡占的航空市場モデルと, 近接空港間におけるエアラインの便数配分行動モデルの組合せによる国内航空市場モデルを構築し, 現況再現性の検証を行った.