2008 年 25 巻 p. 823-828
人身事故の約半数は交差点で発生し, 特に住宅地を含む住居系地区では交差点事故の大半が地区内に散在する生活道路交差点で発生している. そこでの事故対策は, コストや空間的制約から一時停止や一方通行といった交通規制, カーブミラーの設置等の個別対応が中心となっている. こうした交通安全対策導入の根拠や効果は, 交通量が少ないこと、また生活地区のこうした安全対策と交通事故との関連が明らかになっていないこともあって, 十分に検討されているとは言い難い. そこで, 生活道路交差点におけるこれらの交通安全対策整備のあり方を検討するため, あんしん歩行エリアを対象に整備の現状を把握し, 交通事故発生状況との関連性を分析した.