土木計画学研究・論文集
Online ISSN : 1884-8303
Print ISSN : 0913-4034
ISSN-L : 0913-4034
右折矢表示が運転者の注視特性に与える影響に関する研究
矢野 伸裕
著者情報
キーワード: 交通安全, 交通弱者対策
ジャーナル フリー

2008 年 25 巻 p. 829-834

詳細
抄録
本研究では、認知情報処理の指標として運転者の注視行動に着目し、右折専用現示としての右折矢表示の設置による、対向車待ち中の右折車の運転者の注視特性の変化をドライビング・シミュレータを用いた実験によって検討した。その結果、右折矢表示がある場合は、ない場合と比べて、対向車への注視量が少なく注視持続時間も短く、対向車以外の対象への注視量が多かった。右折矢表示の設置により、対向車待ち中の運転者の対向車に対する情報処理量が少なくなり、その分、余裕の生じた注意資源が右折先横断歩道の歩行者など対向車以外の対象に配分されるようになると考えられた。この結果を交差点右折時の高齢運転者の安全対策の観点から検討した。
著者関連情報
© 社団法人 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top