抄録
本研究は,時間制限駐車区間での路上駐停車行動を,判別分析その他の統計的手法から明らかにすることを目的とした.従来から我が国の路上駐車対策の基本は,路上から路外への転換である.しかし現在の道路交通法が制定されて以来半世紀,法律を厳格に実行することを目標としながら,この問題は常に問題で有り続けた.大都市での路上駐車対策が,都市機能維持のための路上から路外への転換策の検討であるのに対し,地方都市のそれは道路空間でのトラフィック機能とアクセス機能の共存策にある.本研究は後者の視点での研究であり,実態調査の分析から路上駐車の管理に必要ないくつかの知見を得ることが出来たものと考える.