2010 年 27 巻 p. 961-972
本研究では主にETCデータを活用して,多頻度ユーザーの行動を時系列的に,空間的に分析することにより高速道路供用効果を把握する手法を提案した.全てのETCユーザーから多頻度ユーザーを定義して,多頻度ユーザーの開通事前事後の利用行動を比較した.流入IC選択には車種別,方向別などの特徴があることが確認され,供用前後において行動変化したユーザーには使い分け型ユーザーと転換型ユーザーがいることがクラスタ分析の結果より確認された.自動的に蓄積されたETCデータから任意のユーザートリップを抽出して高速道路供用効果を行動の面から分析できることは,路線供用効果把握の新たな分析手法となり得ると考える.