2010 年 27 巻 p. 973-981
渋滞対策として付加車線等を設置すると、これまで発生していなかった箇所での渋滞発生が予想される。本研究では、ボトルネック交通容量とボトルネック付近の道路構造等との関係から、多車線区間(2車線及び3車線区間)におけるボトルネック交通容量推定式を求め、重相関係数0.81~0.92と高い精度を確保できた。また、交通渋滞の発生を確率事象として捉え、渋滞発生時と非渋滞時の交通量データを用いて、顕在化と潜在的ボトルネックの交通容量確率分布を推定し、これを年間の将来渋滞予測に適用した。現況再現性を確認した結果、従来の渋滞予測時に多く用いられる平均的な交通容量の場合に比べて高い現況再現性を確保できた。