日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
小学校における高齢者の読み聞かせボランティア活動が児童の共感的関心の向上に及ぼす影響
‐親密な関係性の構築に着目して‐
村山 陽竹内 瑠美安永 正史山口 淳藤原 佳典
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2021 年 11 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

本研究は、世代間交流プログラムを通して高齢者と親密な関係性を構築することが児童の共感的関心に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 調査対象者は絵本の読み聞かせ高齢者ボランティアとの交流プログラム (以下、交流授業) に参加した川崎市A小学校の小学6年生85人であった。交流授業前に児童を介入群(56人) と待機群 (28人) に振り分けた上で、 交流授業前に第1回調查、交流授業終了後に第2回調査を実施した。 分散分析の結果、介入群では交流授業への参加を通して高齢者ボランティアに対する親密感が有意に向上することが示された。構造方程式モデリン グによるパス解析により、 交流授業への参加を通して高齢者ボランティアとの親密さが高まること、児童の共感的関心の向上に寄与していた。こうしたことから、世代間交流プログラムにおいて子どもと高齢者との親密な関係性を構築することが重要であることが示唆された。

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© 2021 日本世代間交流学会
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