日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
高齢者のシームレスな社会参加と世代間交流
ライフコースに応じた重層的な支援とは
藤原 佳典
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ジャーナル オープンアクセス

2014 年 4 巻 1 号 p. 17-23

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抄録

本来、世代間交流とは長い人生の中で徐々に対象や形態を変えながらシームレスに継続されていくべきものである。本稿の目的は、世代間交流についてのライフコースに応じた研究成果 の紹介と研究の展望について総括することである。高齢者の社会参加・社会貢献を生産性の側面から捉えたproductivity の理論に基づき操作的(1)就労(2) ボランティア活動 (3) 自己啓発 (趣味・学習・保健) 活動 (4) 友人・隣人等とのインフォーマルな交流(5) 要介護期の通所サービス利用の5つのステージに定義し、社会参加世代間交流の枠組みと効果について紹介した。 しかし現実には、円滑に次のステージへ移行することは容易ではなく、孤立・閉じこもりに陥る者も少なくない。その背景には高次から低次のステージへの移行をシームレスに支援する重層的な体制が十分整備されていないことが挙げられる。 地域包括ケアシステムにその支援機能が求められる。

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© 2014 日本世代間交流学会
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