日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
独居高齢者にとっての「近距離」別居子と心理的健康
首都圏高齢者の地域包括的孤立研究(CAPITAL study)より
小池 高史鈴木 宏幸野中 久美子藤原 佳典
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 4 巻 1 号 p. 39-45

詳細
抄録

独居高齢者と別居子の交流頻度および独居高齢者の心理的健康と別居子との距離の関連について検討した。 2012年7月、埼玉県和光市にて自記式質問紙調査を実施した。 対象者は調 査時点で65歳以上だった和光市民全員 (11,172人) とし、有効回答は8,191票 (73.3%)であった。 回答者のうち、独居高齢者のみを分析対象とし、別居子との距離と別居家族や親せきとの対 面・非対面の交流頻度のクロス集計を行った。 また、GDS-15 および将来への不安感の合計点 を被説明変数とし、別居子との距離と性別を説明変数、年齢と移動能力を共変量とした二元配 置分散分析を行った。 結果、独居高齢者の別居子との日常的な交流においても、独居高齢者自身の心理的な健康においても、別居子との空間的距離が重要であり、とくに10分未満の距 離に別居子が暮らしていることは、対面での交流頻度と将来への不安感の軽減に対して重要であることが明らかになった。

著者関連情報
© 2014 日本世代間交流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top