2014 年 4 巻 1 号 p. 61-67
本研究は、地域在住の一般高齢者の持つ世代性意識について、その性別による相違を明らかにすることにより、男女それぞれの世代性意識の在り方に即した世代間交流プログラムの提供を目指す足場を作ることを目的とした。 2013年6月に、東京都A区のシルバー人材センターに登録している高齢者40 名を対象とする、自記式によるアンケート調査を実施した。調査に応じた対象者のうち、世代性意識についての自由記述に回答した30名(男性14名、女性16名: 有効回答率 75.0% 平均年齢72.0歳(SD=4.6)) を分析対象者とした。自由記述の内容に基づきカテゴリー生成を行った結果、「積極的」「両価的」「消極的」 の3つのカテゴリーが生成された。 また FISHER の正確確率検定を行った結果、 基本属性のうち性別においてのみカテゴリ一間の分布に有意な違いがみられた。男女それぞれの世代性意識の在り方に留意した世代間交流プログラムを発信する必要があろう。