日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
世代間交流学とエリクソン及びヴィゴツキーの概念
「第9段階」及び「他者」概念の考察を通して
佐々木 剛草野 篤子
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 4 巻 1 号 p. 69-76

詳細
抄録

本研究は、世代間交流学に介在し形成される共生概念である「相互互恵性」 を、 ERIKSON, E. とERIKSON, J. が新たに提唱した「第9段階」概念による心理社会的発達理論と、VIGOTSKY が述べた社会文化発達理論による「他者」概念を通して検討する。世代間交流学では、高齢者と他世代の相互互恵性を考察しながら世代間交流プログラムによ る高齢者と若者世代の具体的な交流活動を提示している。この考え方の根底には、「対人接触 (人と人のつながり)」の考え方が介在する。ゆえに、「第9段階」の概念による ERIKSON, Eの世代性(GENERATIVITY 理論)とVIGOTSKYの社会文化発達理論による「他者」概念が、世代間交流学の課題となる「世代間の確執」や「世代間交流の必要性の希薄さ」に与える新たな視座を追究する。さらに、世代間交流プ ログラムと教育の結びつきの可能性を考察する。

著者関連情報
© 2014 日本世代間交流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top