抄録
本研究は通所介護施設 (デイサービス)を利用している認知症利用者(以下、利用者と記す)と保育園児との世代間交流プログラム (IGP)の実践について、 現状のプログラムの影響と効果を明らかにし、今後のあり方を検討するための基礎的資料とすることを目的とする。デイサービススタッフへのフォーカスグループインタビューによる質的分析の結果は、【正の側面の影響】【負の側面の影響】【IGP 継続の意義】【IGP 継続の課題】の4つの重要カテゴリーに分類され、現在のIGP継続の課題としてマンパワー不足やコーディネーターの欠如があり、 積極的な発展には至らず現状維持となっていることが分かった。 以上を踏まえ、 利用者と子どもの正と負の側面を考慮した IGP のプログラムを企画し、心身への効果を継続的に見て行くことが 今後の課題である。