日本世代間交流学会誌
Online ISSN : 2758-5905
Print ISSN : 2185-7946
地域活動としての学習支援事業を運営・管理する観点の抽出と世代循環の仕組みの意識に関する実態調査
南 潮望月 美希長谷部 雅美野中 久美子倉岡 正高村山 幸子藤原 佳典
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2018 年 8 巻 1 号 p. 23-29

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抄録

本研究は困難を有する子どもやその家族の支援のための地域連携として、 特に住民の自助、 五助に基づく活動の一つである学習支援事業に着目し、 どのような観点からそれが運営・管理されようとしているか、 特に世代循環の意識、 高齢支援者の活用についての意識の有無について明らかにするために、 首都圏近郊の先駆的事例5件を対象として自治体内事業実施部門担当者、及び事業団体責任者への半構造化インタビューを実施した。 その結果、 ① 行政関与の状況・ 財源、 ②実施の形態、 ③学習支援の内容、 ④ 地域連携の課題と範囲、 ⑤高齢支援者の活用に対 する考え方の5つの観点を取り上げ各事例の比較を行った。各自治体は地域資源や行政上の課題を整理しながら、地域特性に応じた方法を模索する段階であったが、高齢支援者の活用は、 積極的に検討される段階にはなかった。 学習支援には継続の保証、プライバシーへの配慮、 居場所支援との連携など、慎重な体制づくりが必要とされ、行政が間接的に調整、管理する事が期待されていた。

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© 2018 日本世代間交流学会
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