抄録
FWD (Falling Weight Deflectometer) によって測定された時系列たわみデータから, 動的FEMにより各層 の弾性係数を推定する方法について検討した。まず, 解析上の基本的な項目である, 1) 時系列たわみデー タの時間軸原点の設定, 2) 使用するセンサーの選定および3) 解析に用いる時間範囲の抽出について標準 的な方法を設定した。次に, 本解析手法である動的FBMと従来の多層弾性理論の2つの手法により, 舗装 構成が既知である現場の測定データを逆解析して, 1) 載荷荷重の違いが解析結果に及ぼす影響と2) 同一 地点での時刻経過に伴う弾性係数の変化について比較・検討した。その結果, 時間の関数として荷重およ びたわみを取り扱う本動的手法の有効性が確認された。