抄録
静的締固め粗粒材料における有効応力に基づく弾塑性構成モデルの適用性の検討を目的に, 大型等体積単純せん断試験機を試作し, 多段階圧密等体積単純せん断試験を実施した. 試料にはクラッシャランと粒度調整砕石を用いた. その結果, 1) 静的締固め粗粒材料のe-logσ’v 関係は直線性を示し, 2) 正規圧密状態における応力-ひずみ関係と有効応力経路は限界状態に至るまでの小ひずみ領域において, 飽和粘土の非排水せん断挙動と類似していることがわかった. そこでSekiguchi and Ohta (1977) による弾塑性構成モデルを用いた数値計算結果と実験結果を比較した結果, 本モデルは正規圧密状態の静的締固め粗粒材料における小ひずみ領域の等体積単純せん断挙動を概ね再現できることを示した.