抄録
今日, 産業副産物の利用が高まり, 舗装の分野においても様々な産業副産物の再利用化が積極的に行われている. 本研究では, 火力発電所から発生する石炭灰にセメントと排煙脱硫石膏で固形化したものを破砕粒度調整し, 従来の複合スラグに混合した新しい複合スラグ (以下, 新複合スラグと称す) について繰返し三軸圧縮試験を実施し, その変形特性を調べた. また, アスファルト舗装要綱に従ったA-D各交通量に対する基準舗装断面の構造解析結果に基づいて, アスファルト舗装の疲労寿命, わだち掘れ量, 縦断凹凸量を求め, パフォーマンスカーブを算定して, 新複合スラグの等値換算係数の推定を試みた. その結果, 従来の複合スラグには若干劣るものの, 水硬性粒度調整高炉スラグとほぼ同等の供用性を示すことがわかった.