ペット栄養学会誌
Online ISSN : 2185-7601
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原著論文
イヌにおける CT 撮影により得られた体脂肪評価と BCS 評価の相関
神田 鉄平前田 憲孝井口 亜弥乃柴田 和紀野村 千晴山本 達也村尾 信義加計 悟古本 佳代古川 敏紀
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キーワード: og, CT, BCS, obesity
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2013 年 16 巻 1 号 p. 1-6

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抄録
肥満はイヌやネコにおいて一般的な健康問題のひとつである。肥満を予防、あるいはコントロールするには、体脂肪の評価を正しく行うことが必須となる。しかしながら、これまで広く用いられているBCS評価法は、観察と触感のみに基づき主観的になりがちである。そこで、BCSによる体脂肪の評価が客観性を担保した適切な方法であるかを確認すべく、我々はイヌにおけるCT撮影によって得られた体脂肪評価とBCSによる評価に相関が認められるかを検討した。実験には体重が2.6から29.3 kgまでの8犬種15頭のイヌを用いた。「アメリカ動物病院協会 栄養評価 犬・猫に関するガイドライン」に従い、9および5段階によるBCS評価(9段階BCS、5段階BCS)を行い、CT撮影により得られたL3およびL5レベルの断層画像から-135/-105HUの範囲を脂肪組織とみなした。体脂肪面積/体幹面積比はL5レベルにおいて、9段階BCSと中等度の相関を示した。また、9段階BCSはL5レベルでは、腹腔脂肪面積/体幹面積比とも中等度の相関を示した。つまり、イヌにおいて9段階BCSはCT撮影により得られた体脂肪評価との相関を示す結果となった。本研究結果は、BCS9がイヌの体脂肪評価法方法として比較的客観的であり、かつ適切であることを支持するものである。
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© 2013 日本ペット栄養学会
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