ペット栄養学会誌
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原著論文
Lactococcus lactis H61の投与によるイヌのエイジングレベルの改善の可能性
木元 広実守谷 直子
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キーワード: dog, lactic acid bacteria, aging level
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2016 年 19 巻 1 号 p. 1-7

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抄録

我々はこれまでに Lactococcus lactis H61の摂取が加齢に伴うマウスの皮膚の潰瘍の発生や脱毛等を抑制することを報告している。本研究ではH61株のペットフードへの応用を目指し、イヌにおける有効性を検証した。年齢、性別、体重、犬種の異なる家庭犬(24頭)を無作為に3群に分け、H61株非摂取群の他、加熱処理菌体3mg(109 cfuレベル/日)または30mg(1010 cfuレベル/日)を4週間継続的に摂取させた。試験前後に、老化に関わる外観や体臭、生活習慣の様子をエイジングレベル判定スコアにより評価した。その結果、すべての群でエイジングレベルに有意な変化は認められなかった。また、H61株で製造したヨーグルト(生菌109~1010 cfuレベル/日)を様々な犬種の家庭犬20頭に6週間継続的に摂取させ、試験前後に老化の指標と皮膚トラブル・良性腫瘤に着目したエイジングレベルの評価を行った結果、エイジングレベルが有意に低下した。以上のことからH61株生菌体の摂取はイヌのエイジングレベルの改善に有益な効果をもたらす可能性が得られた。

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© 2016 日本ペット栄養学会
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