ペット栄養学会誌
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原著諭文
生菌製剤投与が健常犬の消化管に及ぼす影響に関する基礎的検討
福島 建次郎大野 耕一小田巻 俊孝高津 善太前田 真吾辻本 元
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2018 年 21 巻 1 号 p. 13-19

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抄録

近年、炎症性腸疾患(IBD)の病態や治療に関連して、腸内細菌叢や消化管粘膜の免疫寛容などに関しての関心が高まっている。しかしながら日本国内において、プロバイオティクスやプレバイオティクスの投与が動物の消化管に及ぼす影響に関する基礎的な研究は限られている。本研究では健常犬6頭にビフィズス菌・乳酸菌製剤(ビヒラクチンDXTM)およびサイリウムを2週間同時投与し、投与前、投与後の腸内細菌叢および腸粘膜における制御性T細胞(T-reg)数の変化について検討した。腸内細菌叢の解析では、投与後に Firmicutes門が減少し、Fusobacterium門および Bacteroides門の菌の構成比が増加していた。 また6頭中5頭で、投与後の細菌構成比が類似したパターンへと変化したことが明らかとなった。しかしながら消化管粘膜におけるTreg数については、有意な変化は認められなかった。今後はT-regの制御に関わるとされる短鎖脂肪酸の解析も実施し、また症例犬を用いた臨床的な検討も必要であると思われる。

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© 2018 日本ペット栄養学会
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