ペット栄養学会誌
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2021年日本ペット栄養学会研究奨励金報告書
キャットフードの保存方法の違いにおける脂質酸化の変化
生野 佐織左向 敏紀望月 眞理子
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キーワード: 脂質変化, 酸化, 保存条件
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2025 年 28 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

猫は嗜好性の高い動物であり、フード中の油脂が酸化し品質が低下するとフードを摂取しないことがある。猫に適切な栄養を摂取させるためには、フードの脂質酸化を防ぐことが重要である。そこで本研究では、キャットフードの保存方法の違いが脂質酸化に与える影響を調査し、適切な保存方法を検討したので報告する。猫用総合栄養食を用い、4つの保存条件で2カ月間保管した。保存条件は、封をしないもの、開け口をテープで止めたもの、脱酸素剤を入れテープで止めたもの、チャック付きの袋に移し替えたものである。開封直後から2カ月間、経時的に酸価、過酸化物価、ヨウ素価の測定を行った。袋の封をしなかった場合、酸価が上昇した。これはフードが外気に触れている面積が多いため加水分解が進行したことが要因と考えられた。ヨウ素価および過酸化物価では、4つの保存方法で変化はなかった。フードに含まれる油脂は自動酸化に対して安定性の高い不乾性油であったことで酸化が抑制されたと考えられた。以上より、本研究で使用したフードは袋の封をしなかった場合に加水分解による劣化が起こったが、袋内の空気を抜き封をすることでフードに含まれる油脂の酸化を抑制できることが示唆された。

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