2007 年 10 巻 Supplement 号 p. 13-14
ドワーフハムスターであるジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターの行動量は大きく異なる。ロボロフスキーハムスターは多動性でありペットとして扱いにくいことも知られている。本研究では,2種のドワーフハムスターの行動量の違いが脳内モノアミン濃度の違いで説明できるか否かを検証した。ホームケージでの自発運動量に2種間の違いは見られなかったが,オープンフィールド試験を行ったところ,ジャンガリアンハムスターに比べ,ロボロフスキーハムスターの行動量は有意に高かった。ジャンガリアンハムスターと比べ,ロボロフスキーハムスターのドーパミンおよびセロトニン濃度は低い値を示し,両モノアミンの代謝回転率は速いことが判明した。以上の結果から,ロボロフスキーハムスターの多動行動は,脳内ドーパミンとセロトニンの量と代謝の違いで一部説明できることが判明した。