抄録
イヌとネコの糞便から,共役リノール酸(CLA)生成菌として3種の細菌が単離された。その1種はStreptococcus属またはLactococcus属であろうと思われた。また,Eubacterium aerofaciensと推定される菌も単離された。これら2種の菌は,まだCLA生成菌として報告されていない菌であった。もう1種は,タイプIIのButyrivibrio fibrisolvensであった。以上の3菌のうち,CLA生成能が最も高かったのはB.fibrisolvensであったので,大腸内で本菌を増加させるのが有効と考えられた。糞中混合微生物系に本菌を添加して培養したところ,CLAの生成が著しく増加した。B. fibrisolvensの6菌株のCLA生成を比較したところ,リノール酸(LA)からのCLAの生成速度およびCLAの還元速度は,それぞれLAイソメラーゼ量およびCLAリダクターゼ量と相関した。従って,前者の酵素の合成を高め,後者の酵素の合成を抑制すれば,CLAの生成(蓄積)を大きく増加させ得ると考えられた。