2002 年 5 巻 Supplement 号 p. 37-38
イヌ・ネコの糞中混合微生物による共役リノール酸(CLA)の生成は,宿主の加齢と共に減少することが明らかとなった。しかし,イヌ・ネコの性別や品種による違いは認められなかった。糞便からCLAを生成する菌を分離したところ,高齢期の動物よりも幼齢期の動物から高い頻度でCLA生成菌が分離された。従って,腸内に生息するCLA生成能を持つ菌の数は,イヌ・ネコの加齢と共に大きく減少すると思われた。生成されたCLAやその還元生成物のtrans-バクセン酸(t-VA)の大部分は菌体の細胞膜の外表面で生成されるか,もしくは生成された後に細胞膜外に排出されると推測された。従って,CLAやt-VAは大腸でも容易に吸収されるものと思われた。