抄録
ウサギの肥満を予防・解消するためには食物繊維を給与する必要がある。その機能は,セルロースによって吸収阻害作用,コレステロール代謝改善作用[1],盲腸での繊維分解菌により生じるプロピオン酸の肝臓コレステロール合成阻害作用などが期待される。3そこで本実験では,肥満予防・療法食を念頭に置いて,摂取エネルギーを抑制するために異なる繊維源を高水準配合した場合に一般成分・繊維性炭水化物の消化率に及ぼす影響と,血漿中コレステロールに及ぼす影響について明らかにした。供試飼料の繊維源はビートパルプ:アルファルファミールの割合を変えた3飼料区を設定した。結果,3区(30:30%)の各成分の消化率は他区に比して高い値を示した。ビートパルプの配合割合が増加するにつれ,NDF,ADF,セルロース,ヘミセルロースの消化率は正の相関が認められた。3区(30:30%)の血漿中総コレステロール,遊離コレステロールの値は他区よりも低かった。