2006 年 9 巻 Supplement 号 p. 19-20
市販ドライフードあるいは缶詰フードを摂取した成ネコの水分出納ならびに水分出納に関連する項目を調べた。経口水分摂取量は缶詰区が65%多かった。尿量は缶詰区の方が多かったが,糞への水分排泄量はドライフード区の方が多かった。その結果,見かけの水分保持は両区間に差はなかった。血漿および尿浸透圧ならびに血漿抗利尿ホルモン(ADH)濃度も両区間に差はなかった。以上の結果より,缶詰フードの給与によって水分の排泄経路は糞から尿にシフトしたが,この尿量の変化に対してADHを介した経路の関与は小さいと考えられた。