2016 年 23 巻 1 号 p. 6-9
IL-33は血管内皮や上皮細胞に発現する新規サイトカインの一つで細胞外からは炎症性サイトカインとして働くが,核に局在する場合には炎症の制御に関わっているとされてきた。IL-33の逆流性食道炎などの食道における役割は全く明らかとなっておらず,今回,健常者と逆流性食道炎患者におけるIL-33の発現局在とその役割を検討した。食道生検組織におけるIL-33 mRNAレベルは逆流性食道炎で高く,IL-8やIL-6のmRNAレベルと有意に相関した。in vitroでは,ヒト正常食道上皮細胞を用いて独自に開発した三次元培養モデルで検討すると,IFNγがIL-33の発現を増加させた。IL-33は,食道上皮基底層の核内で増加し,上皮層からは放出されなかった。IL-33 siRNAでその発現を抑制すると,IFNγによるIL-8やIL-6の放出増加が抑制された。逆流性食道炎でIL-33の発現は核内で増加することが明らかとなり,核内IL-33の発現が,炎症性サイトカイン産生を介して食道炎の増悪に関与していることが示唆され,核内IL-33の発現制御による炎症制御が新たな治療法の一つになると考えられた。