くすりと糖尿病
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原著論文
間歇スキャン式持続血糖測定器による血糖測定体験がもたらす薬局薬剤師の指導内容の変化
鳥居(後藤) 綾深谷 清次網岡 克雄吉川 昌江
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ジャーナル 認証あり

2024 年 13 巻 1 号 p. 58-65

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抄録

本研究では非糖尿病である薬局薬剤師が間歇スキャン式持続血糖測定器(isCGM)による血糖測定を体験することによって,来局者への生活習慣を含めた指導内容に変化がみられるか,その変化を来局者がどのように受け止めたか,薬局薬剤師自身および来局者へのアンケートによって評価した.薬局薬剤師に対してisCGMを貼付し通常通りの生活を送ってもらった.その際の結果を提示し,糖尿病療養指導士が個別に食事および運動に関する介入を行った.2か月間の介入後に再度isCGMを貼付しその結果を再提示した.薬局薬剤師へは介入前後に,来局者へは薬局薬剤師介入前と結果再提示後に,それぞれアンケートを行った.その結果,薬局薬剤師が感じた糖尿病・非糖尿病患者への指導内容の変化において,多くの項目で回答ポイントが有意に向上した.来局者が受け止めた薬剤師の指導内容の変化に関しても知識の枠に位置付けた5項目について,3.3–3.6点から4.4–5.0点へと有意に回答ポイントが向上した.本調査から,薬局薬剤師がisCGMによる血糖測定を体験することで来局者への指導項目の幅を広げ,それによって来局者の生活習慣に対する意識が高まる可能性がある.

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© 2024 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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