2024 年 13 巻 1 号 p. 50-57
本研究は,2型糖尿病患者に対して,保険薬局の薬剤師が5つのコミュニティにおいて,日本版PHOND studyの有効性について検討を行った.評価項目はHbA1cなどの糖尿病治療に関連する検査項目と,生活習慣の改善を目的とした目標の達成率とした.2型糖尿病患者64名を対象とし6か月間において追跡調査を行った.観察開始時のHbA1cが7.0%以上であった患者群は観察終了時に有意にHbA1cが低下した(7.5%±0.5% vs. 7.3%±0.5%).自己効力感は観察開始時と比較して,観察終了時で有意に上昇した(63.8±29.1ポイントvs. 78.3±15.9ポイント).保険薬局の薬剤師と栄養士が連携した,PHOND studyの手法は,2型糖尿病患者に対するケアへのアクセスとセルフマネジメントの促進に役立つ可能性が示唆された.