近年,糖尿病を有する人のスティグマが注目されている.その理解を深め,克服に向けた一助となる可能性があると考え,医中誌をデータベースとして医学関連分野の文献情報における発信状況を俯瞰することとした.併存疾患を抱える患者もいることから,キーワードとして「スティグマ」・「糖尿病」が取り上げられた文献情報の動向調査に加え,糖尿病以外の主な疾患についても検索対象とした.2000年以降で「スティグマ」・「糖尿病」の2語が用いられたものは200件あり,「スティグマ」のみで抽出された件数の約15%を占めた.また,対象とした2000年以降の25年間のうち,糖尿病では直近5年間で抽出されたものが9割以上であったことから,急速に注目されていることが確認できた.また,他の疾患においてもスティグマに関連した文献情報の動向の一端を把握することができた.患者中心の医療の提供に際して医療従事者は,各種疾患(状態)におけるスティグマの理解を深めるとともに,アドボカシー活動への理解を広げることに努め,ひとりひとりが小さな取り組みを積み重ねていくことも必要と考えるが,本調査結果はその一助として意義のあるものと考えている.