2015 年 4 巻 2 号 p. 204-213
今回,我々は健常人を対象として,手動式皮膚痛覚計を用いて手指の圧痛覚テストを行い,測定部位による感覚閾値の違いについて検討を行った。その結果,感覚閾値が低い順に第三指爪の横,第二指爪の横,第四指爪の横,手のひら,第二指指紋部,第三指指紋部,第四指指紋部となり,測定部位によって圧痛覚に違いがあることが分かった。よって,痛みを理由に血糖自己測定を継続しがたい症例に関しては,穿刺部位により感覚閾値の違いがあることを患者自身に認知させることは,血糖自己測定の継続に寄与することができる可能性があると考えられる.