くすりと糖尿病
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原著論文
メトホルミン,シタグリプチンの単剤における治療継続性と有効性の比較
堀井 剛史壁谷 悠介富田 益臣香月 健志及川 洋一清水 淳一島田 朗
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2015 年 4 巻 2 号 p. 189-196

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抄録

2型糖尿病に対する第一選択薬として処方頻度の増加しているDipeptidyl peptidase-4(DPP-4)阻害薬であるシタグリプチン(以下,Sita)もしくはメトホルミン(以下,Met)による治療開始後の治療強化の必要性と,血糖コントロールへの影響について検討を行った.対象はMet 587例,Sita 177例で,HbA1cはベースラインに差はなく,24,48,72,96週でSitaが有意に低かった.96週のHbA1c<7.0%達成についてMetをReferenceとしSitaで調整オッズ比1.70(95% CI: 1.18–2.46)と有意な値を示し,第一選択薬による単剤での治療期間について,MetをReferenceとしたSitaの調整Coxハザード比は0.61(95% CI: 0.50–0.76),log-rank検定のいずれにおいても有意な値を示した.以上より2型糖尿病患者に対するSitaを第一選択とした薬物療法を開始した結果,Metと比較し良好な血糖コントロールを保ち,より長期において強化を伴わない治療の継続が可能であると考えられた.

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© 2015 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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