くすりと糖尿病
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原著論文
ペン型注入器専用針ナノパス®II(34G4mm)とナノパス®Jr.(34G3mm)の基礎的検討
〜患者の自己注射療法施行時に影響する構造上の比較〜
朝倉 俊成
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ジャーナル 認証あり

2020 年 9 巻 1 号 p. 135-142

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抄録

自己注射用のペン型インスリン注入器やGLP-1受容体作動薬用注入器に用いる専用注射針(以下,注射針とする)は,これまで注射時の疼痛軽減を目指した開発が進められてきた.臨床での患者の使用感をもとにした検討によると,「注射針はより細くて短いほど痛みが少ない」という傾向が報告されている.近年,針長が3mmであるNANOPASS® Jr. 34G3mm針(テルモ:TN34GT-J3)が発売されたので,従来のテーパー針のナノパス®II34G4mm針(テルモ:TN34GT4)を対象に基礎試験を行った.その結果,刺通抵抗は同等であったが,TN34GT-J3の注入抵抗と流路抵抗はTN34GT4に比べて小さく,たわみ幅と破断までの折り曲げ回数から評価した強度はTN34GT-J3の方が大きかった.以上のことから,TN34GT-J3はTN34GT4に比べて構造に関する各種測定において劣っている点は見当たらず,基本的にTN34GT4と同じように使用できると考えられる.なお,針長が短くなったことで,筋肉内注射のリスクをより軽減できるため,特に小児や痩せ型のように注射部位の皮下脂肪が少ない患者には有用と思われる.

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© 2020 一般社団法人日本くすりと糖尿病学会
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