大学体育スポーツ学研究
Online ISSN : 2434-7957
原著
Developing STEAMS (Science, Technology, Engineering, Arts, Mathematics, and Sports) human resources through university physical education classes:
Qualitative analysis of perceptions of learning
KITAMURA Katsuro
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 21 巻 p. 29-40

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抄録

本稿の目的は,大学生のもつ学び観の検討を通して,大学体育における身体を通した学びの新たな意義を検討し,STEAM教育(Science, Technology, Engineering, Arts, and Mathematics教育:理数科学的思考と身体・芸術・創作的思考の融合により新たな価値創造を生み出す領域横断的で総合的な探索的教育の枠組み)の中に位置づけることにある.そうした試みは,価値創造型の学びへの転換が目指されている今日において,既存の大学体育の学びの枠組みを問い直し,その一つの視点として,大学体育の学びとSTEAM教育の学びの融合点を見出し,どのように大学体育の学びの今日的価値を認めていくのかを検討するといった意味を有している.理工系大学で体育実技の授業を履修した1年次学生82名を対象とし,対面による1対1の半構造的,自由回答的,深層的インタビューを実施した.インタビューにより得られた大学生の大学体育の学びに対する認知の分析を行った結果,身体および運動を通した学びは,多様な知り方を通し,更なる問いを深め,そこに喜びを体感するという関係性の構造をもつ点が見いだされた.そこから,理工系大学生の大学体育の学び観によって表現される,身体性を基軸とした独自性,および身体の気づきを通した気づきが,STEAM教育に新たな創造性の要素を展開させるSTEAMS (STEAM + Sports) 教育として位置づけられる可能性が見出された.ここに大学体育の学びの独自性の手がかりが推察された.そこから,大学における創造的人材の育成という点で,こうした多様性に富んだ学びの場の設定と,問い深める機会の保証,そして創造に魅了される体験を蓄積するSTEAMS教育の在り方を問うことが重要である点が示唆された.

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© 2024 全国大学体育連合

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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