2024 年 21 巻 p. 41-50
身体活動の不足は健康上のリスクを高めることが指摘されている.しかしながら,大学生においても日本の身体活動基準に達しなかった者が存在する.本研究の目的は大学体育授業におけるe-Learningを活用した身体活動増進プログラム(e-PAPP)が中高強度身体活動(MVPA),レジスタンストレーニング(RT),静的ストレッチング(SS)に与える短期および長期の影響を明らかにすることであった.MVPAは活動量計を用いて測定し,RTとSSは質問紙によって調べた.対象は大学体育授業を履修した学生36名の介入群と,未履修学生45名の統制群である.介入期間は7週間であり,調査測定は介入前,介入後,介入1年後に行った.介入前の身体特性,MVPA,RT,SSには介入群と統制群の間に有意な差はみられなかった.介入前のMVPAは介入群が24.8(SD: 24.1)メッツ・時/ 週,統制群は23.5(SD: 13.6)メッツ・時/ 週であり,日本の身体活動基準に達しなかった学生の割合は介入群が58%,統制群は62%であった.介入群のMVPAは介入後に,統制群の1.49倍(p = 0.010)に増加し,介入1年後には1.29倍(p = 0.047)と高い値を維持した.介入群のRTとSSは介入後に有意な高値(p < 0.001)を示したが,介入1年後は統制群と差はみられなかった.結論として,e-PAPPはMVPAに対して短期および長期の増進効果,そしてRTとSSには短期の増進効果があることが示唆された.