大学体育スポーツ学研究
Online ISSN : 2434-7957
研究ノート
プロの舞踊家によるダンス指導が大学ダンス部員にもたらす効果:
身体面に関する効果に着目して
若井 由梨 山本 悦史上田 純平
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2024 年 21 巻 p. 51-62

詳細
抄録

近年,中学校の部活動支援事業の一つとして,専門性の高いプロコーチに指導介入を依頼するケースが注目され,専門的視点による指導成果が報告されている.しかし,プロコーチやエキスパート指導者側の指導観については研究報告がなされてきた一方で,プロの指導者による指導を受けた選手や学習者側における内観を言語データとして質的に分析した先行研究はみられない.そこで本研究は,プロの舞踊家によるダンス指導が大学ダンス部員にもたらした効果について明らかにすることを目的とした.研究方法としては,プロの舞踊家によるダンス指導を受けた部員17名を対象に,個別の言葉を詳細に記述する方法として質的研究方法を採用し,半構造化インタビューによる調査を実施した.分析においては,プロの舞踊家の実演を含む指導による影響を考慮し,身体面への効果に着目した.得られた回答をテキスト化し,データ分析をした結果,部員自身が体感して理解する「主観的な身体の感覚への気づき」と舞踊家の動作や作品などを見て理解する「客観的な身体の見せ方への気づき」のカテゴリーに分類された.これらの背景には, 舞踊家による言語的指導だけでなく,視覚的・触覚的な複数の情報提示を伴う実演指導が部員の新たな感覚を得ることとなり,効果が表れていることが示唆された.本研究の結果からは,プロの舞踊家の指導により,学習者の身体面への影響として,背面・身体角度・身体全体などに対する「身体への意識の集中」,床を押す・引き上げる等の「重心・引き上げの感覚」,そして,緩急をつけて大きく自分の体格に合った「動き方の見せ方」があることが指摘された.

著者関連情報
© 2024 全国大学体育連合

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top