Journal of Pesticide Science
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Print ISSN : 1348-589X
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ストリゴラクトン: 抗癌剤としての新しい植物ホルモン
Hasan Mohammed NihalRazvi Syed S. I.Kuerban AbudukadeerBalamash Khadijah SaeedAl-Bishri Widad M.Abulnaja Khalid OmarChoudhry HaniKhan Jehan A.Moselhy Said Salama M ZamzamiKumosani Taha A.Al-Malki Abdulrahman L.Alhosin MahmoudAsami Tadao
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2018 年 43 巻 3 号 p. 168-172

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抄録

化学療法は癌の抑制において効果的であるが,化学療法に対する耐性や重度の副作用が生じるために,その効果が制限される場合が多い.したがって,癌と戦うためには常に代替となる化学療法薬を見つける必要がある.植物は昔から医療に使用されてきており,19世紀の黎明期に見出された有望な抗癌剤の多くが植物に由来している.ストリゴラクトン(SL)は,シュートの分岐の調節に関与する新しい植物ホルモンである.最近,新規合成SL類縁体が固形腫瘍および非固形腫瘍に対して有効であることが見出された.これらの類縁体は,癌細胞の生存率を低下させ,アポトーシスおよび細胞死をマイクロモル濃度で促進する独特のメカニズムを有することが報告されている.したがって,合成SL類縁体は,将来有力な抗癌剤候補であり得る.これらの合成SL類類縁体の重要性を明らかにするためには,さらなる研究が必要である.

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© 2018 日本農薬学会
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