Journal of Pesticide Science
Online ISSN : 1349-0923
Print ISSN : 1348-589X
ISSN-L : 0385-1559
Alternaria kikuchiana におけるポリオキシン耐性機構
堀 正大柿木 和雄見里 朝正
著者情報
ジャーナル フリー

1976 年 1 巻 1 号 p. 31-40

詳細
抄録

A. kikuchianaの種々の菌株においてポリオキシンに対する耐性が高いほど, 菌体内への14C-ポリオキシンAまたは14C-Bの取り込みは低かった. 3H-ポリオキシンAの菌体内への取り込み低下は, 菌糸の生育阻害と細胞壁キチンへのC-14グルコサミンの取り込み阻害の両者の減少と明らかに関連していた. 高度耐性株Yr-107に蓄積した14Cまたは3HのポリオキシンAは, 感受性株Es-1に蓄積したそれの10%以下であった. Es-1株の菌体におけるC-14ポリオキシンAの65%は, 主として細胞質から成る分画に存在していた. Yr-107株の場合, その71%は細胞表層から成る分画に吸着していた. Es-1株による14C-ポリオキシンAの取り込みは, アジ化ナトリウム, ブラストサイジンS, Triton X-100によって阻害されたが, Yr-107株ではこれらの化合物による阻害はほとんどなかった.
供試した菌株はいずれもポリオキシンAとBの混合物を不活性化したが, この不活性化はポリオキシン耐性とは無関係であった.

著者関連情報
© 日本農薬学会
前の記事 次の記事
feedback
Top