Journal of Pesticide Science
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Ethyl 2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate とその関連化合物の合成ならびに選択的除草活性
坂田 五常牧野 健二河村 保夫猪飼 隆
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1985 年 10 巻 1 号 p. 61-67

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抄録
Ethyl 2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy]-propanoate (code No. NCI-96683) は, 現在日産化学工業 (株) によって開発中の新しい選択性除草剤である. これまで数種の heterocyclicoxy phenoxy propanoic acid 誘導体が選択性除草剤として知られていた. 本研究においてヘテロ環としてさまざまなベンゼン縮合ヘテロ環を探索合成した結果, quinoxalinyloxy phenoxy propanoic acid 誘導体, とくにNCI-96683がすぐれたイネ科雑草に対する除草活性と広葉作物選択性を示すことを見いだした. これらの誘導体は合成原料として2-chloro-quinoxaline 誘導体と hydroquinone およびα-halogeno-propanoic acid 誘導体を用いて合成した. NCI-96683は, 大豆, 棉, 甜菜, なたねなどの広葉作物に薬害を示すことなく, イヌビエ, メヒシバ, オヒシバ, エノコログサ, オオクサキビ, カラスムギおよびセイバンモロコシなどに卓効を示した. 圃場試験においては, 一年生イネ科雑草に対し0.05-0.15kg a. i./ha, 多年生イネ科雑草では0.11-0.22kg a. i./haで十分な除草効果が得られた.
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© 日本農薬学会
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