Journal of Pesticide Science
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Ethyl 2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate の光学活性体の合成とその除草活性
坂田 五常牧野 健二森本 勝之猪飼 隆長谷部 信治
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1985 年 10 巻 1 号 p. 69-73

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抄録
Ethyl (R)-(+) および (S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate ((R)-(+)-1および (S)-(-)-1)を (S)-(+)-lactic acid から合成した. (S)-(+)-lactic acid を用いて, ethyl O-(p-toluenesulfonyl)-(S)-(-)-lactate, ethyl O-methanesulfonyl-(S)-(-)-lactate, ethyl-(R)-(+)-2-chloropropanoate および ethyl (R)-(+)-2-bromopropanoate を合成し, これら中間体を4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenol と反応させ, (R)-(+) および (S)-(-)-1を得た. 光学純度はシフト試薬Eu(HFC)3を用いて, 200MHz NMRの測定から決定した. その結果, 光学的に純粋な (R)-(+)-1は, [α]20D+35.2°(CHCl3, c=1.20%) の旋光度であることが推定できた. シャーレ試験におけるイネ幼植物の生長阻害活性と, エノコログサを用いた茎葉処理除草活性を検討した結果, (R)-(+)-体の含量と除草活性の間によい相関があることがわかった. そして光学的に純粋な (R)-(+)-1は, ラセミ体に比較して約2倍の除草活性を有すること, および (S)-(-)-1は, 低活性かあるいはほとんど活性を示さないことが推察された.
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© 日本農薬学会
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