Journal of Pesticide Science
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光学分割法による ethyl (R)-(+) および (S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy]-propanoate の調製とその除草活性
坂田 五常牧野 健二草野 和也佐藤 純猪飼 隆鈴木 宏一
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1985 年 10 巻 1 号 p. 75-79

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抄録
Ethyl (R)-(+) および (S)-(-)-2-[4-(6-chloro-2-quinoxalinyloxy) phenoxy] propanoate ((R)-(+)-1および (S)-(-)-1) をそれぞれの相当する遊離酸 ((R)-(+)-1-acid および (S)-(-)-1-acid) から合成した. おのおのの酸は, そのラセミ体を cinchonidine あるいは cinchonine を用いて光学分割することにより得ることができた. つぎにそれらをアシルクロライドにした後, ピリジン存在下, エタノールでエステル化し純粋な光学活性体 (R)-(+)-1, (S)-(-)-1へ誘導した. 光学純度はシフト試薬Eu(HFC)3を用いた200MHz NMRの測定および優先晶析法を用いて決定した. その結果, 光学的に純粋な (R)-(+)-1の旋光度は, [α]20D+35.9°(CHCl3, c=1.20%) であることが明らかとなった. またシャーレ試験におけるイネ幼植物の生長阻害活性と, タイヌビエおよびメヒシバを用いた茎葉処理除草活性を検討した結果, 最も強い除草活性を示す化合物1のプロピオン酸部の絶対配置は, R配置であった.
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© 日本農薬学会
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